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「投資・経営」における『投資』の二面性
「投資・経営」における基準省令に、「二人以上の本邦に居住する者(法別表第一の上覧の在留資格をもって在留する者を除く。)で常勤の職員が従事して営まれる規模」というのがあります。


なお、上記「規模」に該当すれば、必ずしも二人以上の常勤職員を雇用することを要しないのですが、入管当局の実務運用上、二人以上の雇用が要件とされてきました。


しかし、この点、平成12年12月25日通達によって、「規模」に係るガイドラインが「新規事業を開始しようとする場合の投資額が年間500万円以上であること。」とされ、常勤職員が二人以上でない場合の「規模」の判断に一応の指針が示されたことは現在では周知のとおりです。



ところで、「投資・経営」において「投資」とは、単に基準省令適合性の問題なのでしょうか?


この点、実務上、常勤職員二人同等の「規模」の問題(適合性)としてのみ意識されることが多いような気がします。


しかし、そもそも、「投資・経営」においては、安定的な在留活動のためには、「相当額の投資」が必要であり、適合性の前にまずは在留資格該当性の問題として「投資(額)」が問題とされるべきと考えます。



「投資・経営」の構造(事業の管理に従事しようとする場合を除く。)

1.在留資格該当性

1)本邦にて事業の経営を開始し、その経営を行うなどの活動をする”見込み”があること。
2)事業の安定性・継続性が見込まれること(相当額の投資)。
3)外資系であること。

2.基準省令(上陸許可基準)適合性

1)事業所が確保されていること。
2)事業が常勤職員二人以上と同等の規模(500万円以上の年間投資額)であること。



なお、該当性としての「相当額の投資」も500万円以上とされています。とすると、適合性としての「投資」と同額であり、あえて該当性としての投資を実務上意識する必要はないような気がします。


しかし、常勤職員が二人以上確保されているものの、その年間給与が500万円未満であるような場合(最低賃金との関係で検討の余地はありますが)は、あえて該当性としての「相当額の投資」を問題にすべき実益があるように思います。


すなわち、単に常勤職員が二人以上いるからとって、「相当額の投資」について検討することなく、「投資・経営」の該当性を認めることは問題があります。






行政書士 林 幹 国際法務事務所



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by kan-officekan | 2006-11-06 14:14 | 投資・経営
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